2003年7月4日金曜日

生産協同組合(著者と編集者たちのアソシエーション)である出版社「批評空間」の記録(2003.7.4)

出版社である批評空間社は、《旧来の流通機構を破り、生産者と読者の新たな結合を作り出す》書き手と編集者のアソシエーション=生産協同組合として、2001年2月に設立されました。

                      第Ⅲ期「批評空間」創刊号

その半年余り後、編集者であり代表者でもあった内藤裕治氏が病に倒れ、翌5月19日、無念にも逝去されたため、同社も解散を余儀なくされました(解散の辞は->こちら)。

以下は、短い期間ながらも、生産協同組合(書き手と編集者たちのアソシエーション)をめざして設立と運営にあたった批評空間社の記録です。

  ***************

1、生産協同組合としての批評空間社の理念
 一言で、それは「自由で平等な生産者同士のアソシエーション」です。つまり、「他者を単なる手段としてのみならず、目的(自由な主体)として扱う」(カント)ということです。それは、通常、組織の内部の問題として考えてしまいますが、実はそれだけでは足りず、もうひとつの次元、組織の外部との関係も問題にしなければなりません。なぜなら、たとえ組織内部において自由平等が確保されたとしても、外部との関係であたかも植民地のような隷属関係を強いられるようでは、その自由平等も絵に描いた餅に終わるからです。つまり、自由平等の理念は、次の2つの面において確保されなければならないのです。 


2、批評空間社の組織(仕組み)
  では、1の理念を実現するために、どのような仕組みを採用したかというと、下の図のように、2つのタイプの株主(出資者)から構成されました。ひとつは、批評空間社を協同で運営していく「協同生産者」たちという株主、もうひとつは、批評空間社に投資するために設立された有限責任の投資組合(正式名称:批評空間投資事業有限責任組合という株主です。




 なぜ、このようなやや込み入った仕組みを採用したのか。それは上に述べた「理念と現実との折り合いを付けるため」です。その具体的な意味については、以下の説明を参照。

市民の起業のために―出版社批評空間社の起業の検討1―(5.19/03)
ーー> PDFファイル    ワードファイル


3、 出版社批評空間社の起業の具体的内容1(7.2/03)
 以下は、批評空間社の設立の実際を書面を添付しながら詳述したもの。

投資事業有限責任組合の設立の手順
 
投資事業有限責任組合の設立手続のポイント・苦労について

株式会社批評空間の設立の手順

株式会社の設立手続のポイント・苦労について

設立全般に関するQ&A


4、出版社批評空間社の起業の具体的内容2(7.4/03)
以下は、批評空間社の設立手続を担当した内藤裕治氏と柳原敏夫との間で、設立手続きをめぐってメールでやり取りをした記録。 

批評空間社の設立手続でのやり取り1(00年3月20日~5月16日)

批評空間社の設立手続でのやり取り2(00年5月17日~6月1日)

批評空間社の設立手続でのやり取り3(00年8月3日~12月30日)

批評空間社の設立手続でのやり取り4(01年1月29日~7月11日)


5、 市民の起業のために――出版社批評空間社の起業の検討――(6.21/03)
レジメ:出版社などの起業者にとっての流通

投資事業有限責任組合方式はなぜ発案されたのか―批評空間社の設立にあたって―(9.30/01)

批評空間社の立ち上げ(7.14/01) 



参考:
批評空間社の会社及び投資組合の設立について

批評空間(ウィキペディア)

柄谷行人公式サイト 著作年譜 1996-

2つの組織の概要
 批評空間投資事業有限責任組合



◎ 設立:2001年2月1日
◎ 組合員数:17名
◎ 有限責任組合員:浅田彰・磯崎新・いとうせいこう・岡崎乾二郎・鎌田哲哉・
          柄谷行人・高祖岩三郎・坂本龍一・杉浦直行・西部忠・
          東幸三・村井紀・柳原敏夫・山村武善・渡部直己 ほか
◎ 無限責任組合員:内藤裕治
◎ 組合員による総出資額:2750万円(設立時)
◎ 投資先:株式会社 批評空間/投資額:2500万円

 株式会社 批評空間

◎ 設立:2001年2月19日
◎ 発起人(協同経営者):浅田彰・柄谷行人・高祖岩三郎・杉浦直行・内藤裕治
◎ 専従者:2名
◎ 代表取締役:内藤裕治
◎ 資本金:2750万円
◎ 〒113-0033 東京都文京区本郷1-5-15
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